【行政懇談】 障害者差別解消支援地域協議会 設置に向けた大田区へ意見書を提出しました

公開日: 2016年12月16日金曜日 障害者差別解消法 報告

 大田障害者連絡会は、障害者差別解消法理解キャンペーンの一環で、障害者差別解消支援地域協議会設置に向けて、大田区議会の複数の会派や大田区の所管とお話合いをさせていただいてきました。
 先日、協議会の構成員及び個人情報保護に論点を絞り、行政懇談を行いました。以下、掲載します。
 
 なお、障害者差別解消支援地域協議会においては、「障害差別の問題を障害福祉のみの関係者で解決すべきではない」とした考えを基本支柱として、他地域でも見受けられるような、自立支援協議会に内包する方法には、反対をしてまいりました。
 
「大田区障がい施策推進会議」の構成員をベースにした形で、「大田区障がい者差別解消支援地域協議会」を設置する方向を、大田区は正式に自立支援協議会などの場面でも公表しています。このあたりの状況進捗に関して、並びに団体としての意見総括に関しては、引き続きお示ししていく所存です。


<ここから>




2016127

大田区
区長 松原 忠義 様
大田区 障害福祉課
課長 酒井 敏彦 様

大田障害者連絡会
代表 山田悠平
大田区障害者権利条例をつくる会
代表 宮原 映夫


障害者差別解消支援地域協議会 設置に向けた
大田区への意見書


担当部局との2016127日の懇談にあたり、下記の意見を申し上げます。


1.     本意見書の提出にあたり
大田区障害者差別解消推進本部による全庁体制の取り組みとして、障害者に対しての行政サービスの向上、対応要領策定、大田区全体の取り組みを基本方針として、障害者差別解消法の大田区での推進に対して、御礼申し上げます。併せて、昨年度より本件にかかる懇談の場を設けていただいていること、改めて御礼申し上げます。私たちも障害者差別解消法の立法趣旨に鑑みた、実りある協議会が大田区で運営されることを希望しています。
この間、差別解消地域支援地域協議会(以下、協議会)を大田区障がい者施策推進会議を介在した形での設置の検討を開始していると聞いております。
地域立の障害の種別を超えた連帯をはかる障害者団体として、基本方針の履行に向けた取り組みに関して、その経験と見地から意見を申し上げます。今後のあり方の参考になりましたら、幸甚に存じます。

2.本意見書の趣旨
懇談の時間都合上、①協議会の構成員 ②個人情報保護 に関してのみ絞っています。


3.     意見内容
(1)  協議会の構成員
地域協議会の役割は「必要な情報を交換するとともに、障害者からの相談及び当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組に関する協議を行うこと」であり、関係機関相互の連携の下、障害者差別の解消を推進するための取組を円滑に行うための協議機関として規定されています。(第18条第1項)。
その点を踏まえると、個別事案ごとに差別か否かの判断をし、加害側を糾弾することが目的ではなく、地域の中での事案を通した良い経験も悪い経験を確認し、共有することが求められていると考えます。とりわけ、合理的配慮のあり方については、一義的な解決によらないことが多いので、障害者側も民間事業者側が共生社会に向けての積極的な対話が必要です。そのあたりを鑑みて、以下の2点をご提案します。

<1>  障害当事者を積極的に招聘してください
もちろん、協議会に参加することでの役割もありますが、敷居をあげることないような形が望ましいと思います。体調や個別事情により、毎回の参加が厳しい者もいると聞いています。年度を複数回に分けてのスケジュールや代表者会議と実務者会議など会議形態をいくつかに分けて構成するとよいと思います。招聘の際は、障害種別・性別・年齢などに偏りがないように、バランスよい構成になるとさらに多様性が担保できるとなおよいと思います。

<2>  さまざまな民間事業者を招聘してください
障害者が地域生活を送る中で、障害福祉サービス以外の民間事業者とも当然のことながら、接する機会が多々あります。鉄道やバスやタクシーなどの交通事業者やファーストフードや居酒屋のような飲食業者やインターネットカフェやカラオケやゲームセンターのようなサービス業など多業界に及びます。併せて、障害者も地域の一員として、真の共生社会を送るためには、障害がない人が地域で暮らすにあたって、ごく自然と当たり前のように生活を営むような場所に、参加できることが肝要と考えます。
大田区から民間事業者を招聘するにあたり、幅広い業界の人が参加できるように、行政サイドのみならず、大田区の障害者団体や福祉関係者にも協力を要請するとよいと思います。そのような関係自体を深めていくことが、よりよりネットワークの構築につながると考えます。

(2)  個人情報保護に関して
障害者差別解消法では、地域協議会を構成する全ての者に対して地域協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないとすることにより、相談者に対して安心して相談できる環境を整備するとともに、地域協議会における積極的な情報交換及び官民間の連携の推進を担保することとしています(第19条)。
その点を留意し、具体的な事案の検討討議にあたり、個人情報保護がなされることが肝要かと考えます。地域での積極的な情報共有は必要ですが、他方で事案の課題の深化や双方に不本意な状況を招く恐れはさけなくてはいけません。差別を受けたとされる障害当事者や差別事案の通報者は当然のことながら、加害側とされる行政機関・事業所へも一定の配慮はもとめられるべきかと思います。その点を留意するために、以下の2点の対策を講ずることを提案いたします。

<1>個人情報保護誓約の同意確認
協議会の庶務担当者も含む構成委員に書面をもって、秘密保持契約書を交わすことが、ひとつの担保になると思います。

<2>障害当事者の同意確認
個人情報の提供先の範囲、 個人情報の内容、提供先における個人情報の利用目的を明らかにした上での書面の確認書を交わすこともひとつになると思います。なお、差別事象という非対称性を鑑みて、加害側とされる者には検討事項にあがることの同意確認は求めるできではありませんが、とりわけ個人名をあげることは避けるべき事項かと考えます。


以上

<ここまで>



  • ?±??G???g???[?d????u?b?N?}?[?N???A