【声明】 津久井やまゆり園における殺傷事件とその後の社会動向に関して
公開日: 2016年7月31日日曜日
津久井やまゆり園における殺傷事件とその後の社会動向に関して
(声明文)
2016年7月26日
、神奈川県立津久井やまゆり園において、施設入所支援を利用する障害当事者の方々が襲われ、19 人が命を奪われ、26 人が負傷するという未曾有の事件が発生しました。亡くなられた方々への心よりのご冥福と、怪我をされ治療に当たられている方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。ご家族や支援者の方々におかれましては、お悲しみいかばかりかと大変お察しいたします。
事件から数日経過しておりますが、より一層の事件の真相究明を関係機関に求めます。被疑者が措置入院であったことから、措置入院制度が「正しく」運用されることが事件の再発防止であるかのようなメディアの論調が散見され始めています。しかし、社会防衛のために人権が制限される強制入院について、その実態と課題点を丁寧に確認していく必要があります。そして、「間違った考え方や思想」は、精神科医療をもってしても治すことはできません。事件の真相究明が図れていない状況の中で、厚生労働省が措置入院制度の在り方・運用の見直し検討の動きをしていますが、拙速であると言わざるを得ません。
政府関係者・報道機関等におかれましては、事件の原因分析と解決策を検討する際に、攻撃対象とされた障害者とその周辺の側における意見をしっかりと聞くための体制整備を進めていただきますよう強くお願いいたします。相模原市内の障害者団体や全国組織の障害者団体の意見に今後も耳を傾けてください。
最後に、多数の人間の尊厳を踏みにじった行為を断固として糾弾します。障害がある人もない人も安心して、平和な社会で暮らすことが、当然であり続けるように、地域の障害運動の団体として鋭意活動をさらに推進して参ります。
2016年7月31日
大田障害者連絡会
代表 山田悠平