【行政懇談】 重度身体障害者の入院時の介護ヘルパー派遣について
公開日: 2016年3月30日水曜日 入院時のケア、報告
大田障害者連絡会は、重度身体障害者の入院時の介護ヘルパー派遣について、大田区の障害福祉課の方々と懇談をしました。去年、障害者の自立生活を考える連続学習会で、「重度障害者の入院時の介護ヘルパー派遣について」と題した学習会を開催しました。
その経緯もありましたが、直近になって会員が同様の問題に直面していました。
詳細は、過去の記事をごらんください。
コチラ。
懇談を通して、
・本件に係る大田区で起きている現状についての報告
・現行の制度についての確認
・障害者総合支援法改正(案)に伴う平成30年4月以降に対しての見解
を行うことが出来ました。
まず、障害者に対して病院の医師・看護師から、介護ヘルパーの派遣を要請を受けたという事例を情報提供しました。
事例を踏まえ、議論の始めの論点として、
医療サイドが本来行うべき完全看護体制が障害者には、事実上提供されていないというところにしました。
この状況は、障害者権利条約の謂うところの「他の者との平等を基礎として」からまさに疎外されています。
入院をするということは、特別な治療を必要とする時期で、心情としてはとても”不安”です。
病院側からのある種の正直な提案もあり、安心して入院するために、介護ヘルパーを同行させてほしい。
それに対する制度上の保障を考えてほしい。
障害者は、病院と行政の板挟みで困っています。
これは、地域に住むひとりの人間の命と暮らしの問題です。
そういった想いをお伝えしました。
実際、厚生労働省の通達文に依拠して、在宅でのコミュニケーション支援が基準値となり、支給決定が多少下りていますが、安心した入院での生活を担保する支給量からはほど遠いです。
しかも、良いも悪いも総合勘案の現場判断なので、制度として保障はされていません。
障害者総合支援法改正に関しては、あくまでも国会上程中の法律案でしたので、本件に係る問題を法改正で取り組む動きが国レベルで最終討議されていることとしては、共有がはかることができましたが、確定事項ではないとのことで、残念ながら経過措置等についての詳細なやり取りには及びませんでした。
行政からは、「優先順位という言い方は出来ないが、重点課題として認識している」という言及もありました。
引き続き、地域の課題として、関係者と協議しながら、課題の解決を目指していきます。