【きたざわ潤子氏】2019年実施統一地方選挙に際しての公開質問への回答
公開日: 2019年4月1日月曜日 公開質問
大田区議会議員候補のきたざわ潤子氏(大田・生活者ネットワーク)からご回答がありましたので掲載いたします。
Q1 障害福祉予算と財源について
障害福祉に関する公的支出が国内総生産(GDP)に対しての国際比較で、OECD加盟国で日本は極めて低い水準にあり、障害福祉に関する予算を引き上げていくことが大きな課題とされています。一方、障害福祉予算を含めた社会保障費の増加が「財政の健全性にとって脅威」などの論調もあります。大田区の予算はどうあるべきかお考えをお聞かせください。
29年度決算では147億円の不要額がありました。これは予算を立てたのに使われなかったものです。毎年100億を超える不要額があり、経費節減の効果などもあるでしょうが、あまりにも多い額です。精査をして福祉予算に振り当てるべきです。たとえば発達障害の子どもの療育相談機能が不足していることや障害者の就労支援や住宅支援、精神疾患で引きこもっている人へのアウトリーチ、家族支援など課題は山積です。多くの障害者の社会参加のためにはハード面でもソフト面でもまだまだ合理的配慮の提供は足りていません。
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Q2東京都障害者差別解消条例の推進に向けて
2018年10月に東京都は、社会全体で障害者への理解を深め、差別を解消する取組を推進することを定めた「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」を施行しました。この条例は、障害者差別解消法の上積みとして、民間事業者の合理的配慮の提供が法的な義務として定められたことが特徴の一つとされています。他方で、条例それ自体の認知がまだまだ進んでいないこと、一部の民間事業者から戸惑いの声も耳にします。大田区として、都条例の推進のためにどのように取り組むべきかお考えをお聞かせください。
大田区でも「障害者権利条例」などを定めて、具体的な施策に落とし込むことが必要です。たとえば明石市は、徹底的に合理的配慮の提供に取り組むべく、当事者を弁護士(専門職)に起用し、庁内の意識改革から始めて「条例」を作り、市民・事業者・行政との協力関係の中で具体的な合理的配慮を追求しています。
コミュニケーションツールなど物品の購入に際して商店、レストランなどに助成をするなど町ぐるみで障害者の社会参加の促進を図っており、結果、経済の活性化にもつながっています。大田区でも事業者の理解を得るために条例づくりにあたっては、民間事業者を巻き込むことが肝要だと考えます。